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管理組合の総会はこういうふうに進行するとうまくいきます。

株式会社ソーシャルジャジメントシステムマンション入門 管理組合の総会はこういうふうに進行するとうまくいきます。

管理組合の総会はこういうふうに進行するとうまくいきます。

管理組合の総会には、毎年必ず開かれる「通常総会」と緊急の問題がある場合に開かれる「臨時総会」があります。総会の運営には『区分所有法』上、細かい手続き規定があるので、よく確認しておきましょう。これに反すると、決議などが無効となります。

総会には「通常総会」と「臨時総会」

区分所有法では、「集会」(いわゆる管理組合の総会)は管理組合の中心的かつ、最高の意思決定機関とされています。
規約の設定・変更、共用部分の管理・変更、管理者の選任・解任など、マンションの管理に関する重要な事項はすべて総会決議によって決めることになっているのです。総会は、管理者(通常は管理組合の理事長)が少なくとも年一回召集しなければなりません。これが、「通常総会」です。
期が替わって1、2ヶ月以内に行われるのが一般的でしょう。
この定時総会では、管理組合の決算、活動の報告、来期の予算案、役員の選任などの審議と決議が行われます。「通常総会」のほかにも、期の途中で重要な問題があった場合、「臨時総会」を開くこともできます。
「臨時総会」の招集権限も、管理者である理事長にあります。

特別決議の要件は「強行規定」

区分所有法で定められている総会の運営方法を、ここで簡単に整理しておきましょう。

<招集権者>
総会を召集するのは、原則として管理者(理事長)です。ただし、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ者は、管理者に対して議案を示して集会の召集を請求でき、また一定期間内に召集通知が行われなかったときは、自ら総会を招集することもできます。

<召集通知>
総会の開催日から原則として1週間以上前に、会議の目的となる事項(議案)を示して、各区分所有者に通知することが必要です。これは、区分所有者にあらかじめ議題について調べたり意見をまとめたりする時間を与え、また出席するか委任するかなどの判断材料としてもらうためです。
実際の総会ではよく、参加者から緊急提案がされて議決するケースがありますが、これは原則として無効です。例外的に、区分所有者が全員出席している総会で、全員の同意があれば有効と考えられます。

<議事運営>
総会では通常、理事長が議長を務め、議題の順に報告や議論を行っていきます。書記などは理事の中から決めておきます。
また、管理会社からフロントマンなどが出席して、アドバイスするのも一般的です。

<議決>
総会での議決には、「特別決議」と「普通決議」があります。
「特別決議」とは、区分所有法上、規約の改正や大規模修繕、建て替えなど区分所有者の権利関係に重大な影響のある事項について、原則として区分所有者および議決権の「4分の3以上」ないし「5分の4以上」の賛成が必要とされるものです。また、規約改正と大規模修繕では、特定の区分所有者に特別の影響が及ぶ場合、その承諾も必要とされます。
ここで注意しなければならないのは、特別決議の要件は強行規定であることです。規約で別の定めをしても無効となります。
「普通決議」は特別決議以外のもので、区分所有法では区分所有者の人数と議決権(専有面積割合に応じた共有持分)のそれぞれについて「過半数」の賛成でよいとしています。また、普通決議については、規約で別の定めにすることもできます。
国土交通省が公表している『マンション標準管理規約』でも、議決権総数の半数以上を有する組合員が出席した上で、出席組合員の議決権の過半数で決するとしています。つまり、普通決議については、議決権全体の4分の1強で可決することもできるわけです。
なお、議決権の行使は、書面や委任、代理でも構いません。
さらに、区分所有法の改正によって、電磁的方法(インターネット)による議決権行使も、規約の改正や総会の決議を経れば、可能になりました。

<記録>
総会が終わった後、議長(理事長)は議事録を作成しなければなりません。実際には管理会社が理事長の代わりに作成するのが一般的で、議長及び総会に出席した組合員2名が署名・押印します。

議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載しなければなりません。
議長が議事録を作成しなかったり、記載すべき事項を記載しなかったり、虚偽の記載をすると、区分所有法により20万円以下の過料に処せられます。

●総会に関する区分所有法の規定

第34条(総会の招集)

  1. 集会は、管理者が召集する。
  2. 管理者は、少なくとも毎年1回集会を召集しなければならない。
  3. 区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の召集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
  4. 前項の規定による請求がされた場合において、2週間以内にその請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の召集の通知が発せられなかったときは、その請求をした区分所有者は集会を召集することができる。
  5. (省略)

第35条(召集の通知)

  1. 集会の召集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を指名して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
  2. 以下 (省略)

第37条(決議事項の制限)

  1. 集会においては、第35条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
  2. 前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。

第38条(議決権)

  1. 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、第14条に定める割合(注:専有部分の床面積の割合)による。

第39条(議事)

  1. 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

●総会に関する区分所有法の規定

議決事項 決議数
(組合員数および議決権総数に
対する割合)
建替え決議に関するもの 5分の4以上
規約の設定、変更及び廃止 4分の3以上
組合の法人格の取得、解散
管理対象物の変更又は処分
(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)
管理組合規約に基づく細則の設定、変更または廃止 過半数
(ただし、規約で別段の定め可能)
管理対象物の変更又は処分
(その形状又は効用の著しい変更を伴うものを除く)
役員の選任又は解任
役員の報酬の決定又は変更
管理費等の金額の決定又は変更
組合の収支予算の決定又は変更
組合の収支決算報告
組合の運営又は業務執行に係る重要な方針の決定又は変更
組合業務の委託等の決定又は変更
その他組合員の共同の利益に係る重要事項