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管理会社との交渉や管理組合での議論は客観的な資料やデータとともに

株式会社ソーシャルジャジメントシステムSJS社長ブログ 管理会社との交渉や管理組合での議論は客観的な資料やデータとともに

管理会社との交渉や管理組合での議論は客観的な資料やデータとともに

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。

1月末に弊社関連書籍がダイヤモンド社から発売されました。

『ダイヤモンドMOOK 資産価値が上がるマンション管理&修繕』

http://www.diamond.co.jp/magazine/650411414.html

マンション管理の基礎から最新情報まで分かりやすく解説した大判カラーの書籍です。
弊社が全面的に編集協力したほか、私も4ページにわたってインタビュー記事でアドバイスさせていただきました。

私がお話したのは、マンション管理の「質」をアップさせる3つの視点です。

前々回のブログでは、「管理会社との関係はどうあるべきか?」という第1の視点について、「緊張感と信頼関係」が重要だと申し上げました。

前回は、「管理組合の運営に欠かせないものは何か?」という第2の視点について、「リーダーシップと合意形成」が欠かせないと申し上げました。

この2つの視点を持ってマンション管理におけるさまざまな問題に取り組んでいく際、もうひとつ欠かせないのが「どのように管理会社との交渉や管理組合での議論を進めるのか?」という視点です。

たとえば、管理会社に毎月支払っている管理委託費がどうも高いので、見直しを申し入れるとしましょう。

その際、単に「安くしてくれ」といってもうまくいきません。「精一杯やっています」「これ以上下げると質が低下します」などと言われ、せいぜい5%とか10%といった金額で妥協せざるをえなくなります。

この場合、実際に行われている業務の内容や仕様を確認し、どこに無駄があるのか、どこが他のマンションより割高なのかという具体的な根拠があれば、全然違ってきます。

あるマンションでは、重要な設備で一部の蓋が開かない状態になっていたにも関わらず、定期点検ではチェックが行われたことになっていました。こうした事実をいくつも示すことで、有利に交渉できるのです。

また、たとえば管理会社の対応が悪いのでリプレイス(管理会社の変更)を行おうと理事会が決めたとしましょう。

最終的には組合総会で多数決をとる必要があるのですが、区分所有者の中からはよく「なぜ急いで変える必要があるのか」「いまのままでいいではないか」といった声が必ず出てきます。

その際、契約通りに管理会社は業務を行っていたのか、あるいはフロントマンの対応のどこにどんな問題があったのか、具体的な事実をあげて説明すれば合意形成はおそらくスムーズにいくはずです。

管理会社と交渉するにしろ、管理組合の内部で議論し合意形成を図るにしろ、客観的な事実関係を示す資料やデータが欠かせないのです。

客観的な事実関係を示す資料やデータが大事なのは、マンションの資産価値を守るための維持点検や大規模修繕工事についてもあてはまります。

具体的には、建物が完成したときの「竣工図」が不可欠です。これは工事着工前に作成された図面に工事中発生した変更点などを加えたもので、建物と設備の状況を示す最も重要な資料です。ところが、ときとして売主から管理組合に渡されていなかったり、図面中に一部データが入ってしなかったりするケースがあります。

管理組合として、日ごろから資料やデータをきちんと集め、管理保管しておくことが、マンションの質を確実に高めることにつながるのです。