管理会社の多くがリプレイスに積極的!
マンションの管理会社はふつう、新築分譲の際に売主の不動産会社がセットしており、管理組合が選んだわけではありません。
しかも、管理組合の役員は1~2年任期でどんどん交替するため、「いまの管理会社に任せておけばいい」という感じになっています。
しかし、管理会社の変更(リプレイス)は別に珍しいことではありません。むしろ、リプレイスを検討しないことのほうが、珍しくなってきているといえるでしょう。
これは別に、私たちがコンサルティング会社だからそう申し上げているわけではありません。
実は、いまや管理会社の多くが、リプレイスに積極的なのです。
試しに、大手の管理会社のホームページをご覧になってみてください。
ほとんどの管理会社がトップページで、「マンション管理会社をお探しの方へ」といった表示をしています。
これは、リプレイスを検討している管理組合やその理事会、役員に向けてのメッセージです。
そして、リプレイスの手順やQ&A、さらに自社でリプレイスした管理組合の声などを掲載しています。
注目すべきは、これまでリプレイスに力を入れてきた独立系の管理会社のみならず、デベロッパー系の管理会社、それも名前の知れた財別系でさえ、ホームページでこうした情報を掲載しているということです。
実際、マンション管理業協会のデータでは、管理会社が新しく受託するマンションのうち、既存物件が全体の3割を占め、そのうち6割は他社物件、つまりリプレイスによるものです。全体の割合で見れば2割近くになり、しかも年々増える傾向にあります。
ただ、誤解のないようにしていただきたくないのですが、リプレイスはあくまで手段であって目的ではありません。
私たちも以前から、リプレイスそのものを推奨しているわけではありません。
これまで当社が、管理組合の側に立って管理会社との交渉をサポートしてきた中で、リプレイスに至ったのは3割程度にとどまります。
残り7割は同じ管理会社のまま、業務内容の見直しや管理委託費の引き下げで合意しています。
つまり、リプレイスは管理会社と交渉する上での材料として上手に活用すればよいのです。
財閥系を含めて多くの管理会社はリプレイスへの対応に積極的であり、今後この傾向はますます強まるでしょう。
なお、大手管理会社(上位20社以内)の中で2社だけ、ホームページ上でリプレイスについてまったくといっていいほど言及していない会社があります。
それはそれで、管理会社としてのスタンスが伺えて興味深いといえるでしょう。