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「アフターサービス」は好意でやってもらうサービスではない

株式会社ソーシャルジャジメントシステムSJS社長ブログ 「アフターサービス」は好意でやってもらうサービスではない

「アフターサービス」は好意でやってもらうサービスではない

こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろた てるたか)です。

先週から始めたマンション管理ブログ、感想や質問などありましたらぜひ、お気軽にメッセージをお送りください。

さて、今回は前回に引き続き、「アフターサービス」について取り上げたいと思います。

オートメーション化された工場で厳しい品質管理のもと大量生産される自動車や家電製品と異なり、現場での人手による一品生産品である分譲マンションでは、どうしても建物や設備に一定の不具合が発生します。

これを一定期間(主に2年以内)、売主が無償で補修するのが「アフターサービス」です。

したがって、名称こそ「アフターサービス」ですが、その意味合いは自動車や家電製品とはかなり違います。自動車や家電製品では問題なく日々、使えることが当たり前で、アフターサービスで修理が必要になったら、まあ「運が悪い」といった感じでしょう。

しかし、分譲マンションでは「アフターサービス」で補修してもらうのが当たり前でありかつ不可欠なのです。補修個所がまったくないということは、ほぼ100%ありえません。

ところが、購入者のみなさんだけでなく、売主の不動産会社には「アフターサービス」は何か好意でやってあげているサービスであるかのように勘違いしている担当者が結構います。

先日、入居2年目というある大規模マンションの管理組合から「管理費削減」のご相談を受けた際、理事のみなさんに2年目の「アフター点検」(アフターサービスの実施にあたって事前におこなう点検)についてお聞きしてみました。

すると、共用分については理事会でチェックして、いくつか売主に不具合を申し入れたそうですが、担当者からは「大規模修繕工事のときにやります」との返事だったそうです。

具体的には、足場を組まないと補修ができない外壁のタイルの浮きなどの問題でした。理事のみなさんは「担当者がそういうなら、それでいいか」と納得したそうです。

しかし、大規模修繕工事は通常、竣工から10数年後に行うもので、その間、不具合を放置しておいていいのかという疑問がわきます。

また、竣工から10数年経つと、いわゆる経年劣化による不具合が加わり、どこまでが建築当初の不具合(「アフターサービス」の対象)で、どこからが経年劣化による不具合(「アフターサービス」の対象外)かが曖昧になってしまいます。

さらに、理事は毎年のように入れ替わるので、いざ大規模修繕工事の際には、担当者とのやりとりが忘れられている可能性が高いでしょう。

こうして、売主が直すべき不具合を管理組合が負担し、大規模修繕工事として補修することになるのです。

なぜこうなるのかとえいば、売主の不動産会社(デベロッパー)が「アフターサービス」の重要性をあまり認識していないのだと思います。

デベロッパーにとっては、マンションの引渡しが済めば売上げに計上し、そのプロジェクトは終わりです。担当者はすぐ、次のプロジェクトに回さなければなりません。

「アフターサービス」は、はっきり言ってしまえばどうでもいいオマケの残務で、多くの場合は管理会社と工事を行った建設会社に丸投げです。手抜きとまではいいませんが、どうしてもなおざりになるのです。

しかし、新築マンションの購入者にとっては、引渡しを受けてからがある意味、“本番”です。新しい生活とローンの返済が始まり、建物の資産価値や生活の利便性を維持していかなければなりません。それなのに、本来は売主が直すべき不具合がそのまま残っているとしたら…。

次回は、管理組合として「アフター点検」をどのように行うべきかについて考えてみます。