管理費と修繕積立金はそれぞれ目的・性格が違います。
マンション管理には当然、いろいろな費用がかかります。
共用部分の水道光熱費から税金、保険料、清掃員や管理員の人件費まで、すべて管理組合が窓口となって支払います。そして、最終的にはマンションの区分所有者が負担するのです。
こうしたマンション管理に関わるお金は、その支払いの周期や目的に応じて2つに分けられます。
ひとつは、いまあげたような日々の管理業務のための費用で、基本的に毎月支払いが必要になるものです。
こうした日常的な費用のために集めるお金を「管理費」といいます。
もうひとつは、外壁の補修や屋上の防水など、大規模な工事の費用です。こちらは数年から十数年おきにしか発生しませんが、そのかわり金額は1回に何百万円、何千万円という単位でかかります。
こうした将来の大きな支払いに備えるために集めるお金を「修繕積立金」といいます。
管理費は「上手に使うお金」、修繕積立金は「きちんとためるお金」ということができるでしょう。
管理費は無駄を省き、同じ額でいかに業務内容の質を高めるかがポイントです。
他方、修繕積立金は、いざというとき不足することがないようにし、使うときにはタイミングよく、効果的かつ確実に修繕工事を行わなければなりません。
両者は当然、別会計にして、混同することなく管理しなければなりません。
各戸の負担額は面積に応じて按分
なお、各区分所有者が負担する金額は、管理費、修繕積立金それぞれマンション全体としての総額を算出し、それを各住戸(専有部分)の面積に応じて按分するのが原則です。
ただし、管理規約で別段の定めができ、各住戸の専有面積がほぼ同じであれば、同じ金額にするのも合理的でしょう。
● 管理費と修繕積立金の違い
管理費 | 修繕積立金 | |
性質 | 日常的な管理業務の費用支払いのため集めるお金 | 数年から十数年ごとに行う大規模修繕のため積み立てるお金 |
用途例 |
|
|
集め方 | 毎月、管理費として徴収 |
|
注意点 |
|
|