こんにちは。SJS社長の廣田晃崇(ひろたてるたか)です。
前回に引き続き、東京都江東区が2015年6月に公表した「江東区マンション実態調査報告書」の中から、駐輪場の問題を考えてみます。
http://www.city.koto.lg.jp/kusei/tokei/83706/45532.html
同調査によると、駐輪場については「適切である」とするマンションが半数近くに達し、「空きがある」と「不足している」というマンションは約25%ずつにとどまります。
「空きがある」が半数近い駐車場とは少し、様子が異なるようです。
適切である 42.4%
空きがある 25.6%
不足している 24.9%
無回答 7.1%
駐輪場の場合は空きがあっても、利用料はわずかなため、管理費会計に影響が出るわけでもありません。
しかし、「不足している」場合は、敷地内に自転車が溢れたり、駐輪できないという不満が出てきます。
「不足している」場合の対応策としては、「台数制限」が32.4%で一番多くなっています。
同じく32・4%に達する「その他」としては、ラックの増設や各戸の前の共用廊下に置くというマンションが比較的多く、対応策なしとの回答もありました。
増設予定 16.2%
台数制限 32.4%
レンタサイクル 6.8%
有料化 13.5%
利用料の増額 12.2%
その他 32.4%
駐輪場が不足しているので共用廊下に置くのを認めるのは苦肉の策でしょうが、共用廊下は火災の際には避難経路となるので私物等を置くのは本来、禁止です。
安易に認めると、自転車以外の私物を置く人も出てきて、問題が複雑になりかねません。
駐輪場についてはこのほか、電動アシスト付きや3人乗り等の増加により、駐輪ラックへの出し入れが難しいというケースも増えています。
意外に根が深い駐輪場の問題。
解決のためにはまず、「何台分くらい不足しているのか」「内訳(電動、三人乗り等)はどうなっているのか」といった実態の把握から始めてはいかがでしょうか。
事態が深刻化・複雑化する前に、早めの対応をお勧めします。 |